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表面処理関連試薬
 
概 要 
 表面処理は材料表面の耐摩耗性、潤滑性、耐性、絶縁性、接着性、濡れ性などの性質を向上させることを目的に行われる技術の総称です。表面処理法の一つとして、有機低分子化合物の基板への自己集合性を利用した自己組織化単分子膜(Self-assembled monolayer:SAM)が近年注目されています。アルカンチオールやアルキルジスルフィドのようなチオール誘導体は金をはじめとする貴金属上に自発的に集合して数ナノメートル厚の超薄膜を形成します。
 金属酸化物上でSAMを形成する有機分子としてはシランカップリング剤が古くから利用されていますが、試薬の安定性が悪いなど必ずしも使い易いものではありませんでした。最近、ホスホン酸誘導体が金属酸化物上でSAMを形成し、シランカップリング剤にはない特性を示すことから注目されています。
 ここでは、ホスホン酸誘導体とチオール誘導体が形成するSAMの特性と応用例に関してご紹介します。


 ホスホン酸誘導体 

 ホスホン酸誘導体は、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコン酸化膜(SiO2)、マイカ、ステンレス(SS316L)、ニチノール、ヒドロキシアパタイト、ZnO、ITO等の種々金属酸化物の表面処理・改質剤として、近年、注目されています。ホスホン酸誘導体はシランカップリング剤に比べ、いくつかの利点を有していることから、有機デバイスなど様々な用途で利用され始めています。
 

図1 ホスホン酸誘導体の特長及び用途例
 
特長1. シランカップリング剤より試薬が安定
 トリクロロシランやトリメトキシシランのようなシランカップリング剤は活性が高く、水分があると容易に加水分解します。分解すると試薬自身が重合するため、溶液で保存しておくと分子量の増大により次第に白濁します。これに対し、ホスホン酸誘導体は非常に安定な化合物であり、試薬が重合することはありません。
 
特長2. シランカップリング剤より高密度なSAMを形成
 ホスホン酸誘導体の特長の一つは形成されるSAMがシランカップリング剤に比べ高密度であることです。SilvermanらはTiO2上に形成されたSAMをQCM(Quarts Crystal Microbalance)で評価し、ホスホン酸の方が約4倍高密度であると報告しています。また、KlaukらはAl2O3上でホスホン酸がトリクロロシラン誘導体よりも2.5倍高密度であることをXPSによる表面解析で明らかにしています。
 Schwartzらはホスホン酸誘導体がシランカップリング剤より高密度なSAMを形成する理由として、図2のようなメカニズムを提唱しています。シランカップリング剤は存在しているOHとしか反応できないのに対し、ホスホン酸誘導体は基板にH+を供給することによりOHを再生し、次々に反応することで高密度化すると考えられています。


図2 TiO2上でのシランSAMとホスホン酸SAM形成の模式図

特長3. シランカップリング剤よりも形成されたSAMが安定
 更に、ホスホン酸誘導体はシランカップリング剤に比べ、形成されたSAMが安定であるという特長を持っています。SilvermanらはTiO2上に形成されたSAMの末端に蛍光基を導入し、蛍光基の基板からの脱離を評価することでSAMの安定性を議論しています。ホスホン酸誘導体の11-HUPA(品コード:H399)のSAMはpH7.5の水中に室温、7日浸漬しても全く蛍光基が脱離しないのに対し、シランカップリング剤であるAPTS(アミノプロピルトリエトキシシラン)のSAMでは経時的な蛍光基の脱離が観測されています(図3)。
 

図3 TiO2上でのシランSAMとホスホン酸SAMの安定性比較

 ホスホン酸SAMの安定性は標識する基板によって変わります(図4)。TiO2やAlO3上では比較的安定性の高いSAMが形成されますが、シリコン酸化膜(SiO2)上のホスホン酸SAMは加水分解されやすいことが知られています。Thissenらはこの安定性の低さを解決するべく、SiO2上にAlO3層を形成し、その上にホスホン酸SAMを形成して安定な皮膜を形成させることに成功しています(図5)。
 

図4 各基板上に形成されるホスホン酸SAMの加水分解に対する安定性



図5 ホスホン酸SAMで修飾したSiO2基板上の水滴の接触角変化。Al層形成の有無での比較。

 
ホスホン酸SAMの有機トランジスタへの応用例
 KlaukらやSekitaniらはAl2O3上のODPA(品コード:O407)のSAMを有機トランジスタの絶縁膜として使用し、トリクロロシラン誘導体よりも密度が高く、有用であることを示しています(図6)。XPSのデータから計算した被覆密度は4.6分子/nm2であり、トリクロロシランを用いた場合の2.5倍以上でした。こうして作製された薄膜トランジスタは高いキャパシタンスと低いリーク電流を示し、消費電力も非常に低いと報告されています。
 

図6 SAMを絶縁膜に利用した有機トランジスタの模式図。

 
ホスホン酸SAMの有機ELへの応用例
 フッ化アルキル鎖を有するホスホン酸誘導体はITOの修飾により仕事関数を増加することから、注目を集めています。Sharma らはITO基板をFOPA(品コード: F329)で修飾することにより、酸素プラズマ処理と同様に、ITO基板の仕事関数が増大することを報告しています。酸素プラズマ処理によって増加した仕事関数は直ぐに低下しますが、FOPA修飾により増加した仕事関数は安定性が高く、264時間後も低下しないことが示されています(図7)。また、FOPA修飾ITOを用いて作製した有機ELデバイスは発光量、駆動電圧ともにより安定で、長寿命化されています。
 

図7 FOPAにより増加したITO基板の仕事関すの安定性(左)及び、
FOPA処理ITO基板を用いて作製した有機ELデバイスの安定性(右)


ホスホン酸SAMのその他の応用例
 その他、最近様々な応用例が報告されています。例えば、PulsipherらはITO基板に11-HUPA(品コード:H399)のSAMを形成し、酸化条件をコントロールすることで、アルデヒドとカルボン酸二種類の表面パターンを作製しています。
 Trainaらはオリゴエチレングリコール部位を有するアルキルホスホン酸でY2O3微粒子を修飾し、水溶化することに成功しています
 Zhangらは、ZnO上に10-CDPA(品コード:C490)のSAMを形成後、縮合剤を用いて抗体を固定化し、バイオセンサへの有用性を示しています。
 Maらはゾルゲル法で作製したアルミナゲルをFDPA(品コード:F330)で修飾し、超疎水性表面の作製に成功しています。
 
 
<ホスホン酸誘導体関連製品>
 
製品名/構造式
容量
品コード
10 mg
100 mg
A517
10 mg
100 mg
C490
10 mg
100 mg
H399
10 mg
100 mg
O407
10 mg
100 mg
M457
10 mg
100 mg
F340
10 mg
100 mg
F329
10 mg
100 mg
F330
 
 
 チオール誘導体 

 固体表面に結合、集積し、自発的にナノレベルの薄膜を形成する自己組織化単分子膜(Self-Asssembled Monolayer; SAM)は、その作製の簡便さと、用途の広さから、近年盛んに研究されています。チオールやジスルフィドの誘導体は金、銀、銅、パラジウム、白金等の貴金属表面に高密度なSAMを形成することが知られており、特に金基板上のSAMは、SPRやQCM等のバイオセンサ、金ナノ粒子の機能化、電子材料への応用など様々な用途で使用されています。
 SAM形成のメカニズム、SAM調製法、SAM試薬の分子構造と特性など下記パンフレットにまとめていますので、ご参照下さい。
 http://www.dojindo.co.jp/technical/pdf/sam.pdf


図8 金基板上でのアミノアルカンチオールSAM 形成の模式図


BiacoreTMを用いたバイオセンシングへの応用
 
 BiacoreTM(GEヘルスケア社)は生命科学や創薬分野の分子間相互作用解析に最も利用されている表面プラズモン共鳴(SPR) センサです。金基板上にカルボキシメチルデキストラン(CM)ゲルが塗布されているセンサチップを用いて、各種のリガンドを固定することが可能です。
 一方、デキストランゲルの塗布されていないセンサチップ(SIA kit Au)も販売されており、自身でSAMを形成すれば様々な方法で様々なリガンドを固定化できます。デキストランゲルは100 nm 程度の厚さを有しているのに比べ、SAMは1〜5 nmほどの厚みしかありません。表面プラズモンは基板からの距離が遠くなるほど減衰することから、系によってはSAMを用いた方がより高感度なセンサチップを作製することも可能です。

 SIA kit Auに含まれる未修飾の金基板にSAM形成し、バイオセンサとして応用した例を下記資料にまとめています。
また、金基板へのSAM形成法について動画で紹介しておりますので、合わせてご覧下さい。

BiacoreTMを用いたバイオセンシングへの応用(プロトコル)
 http://www.dojindo.co.jp/technical/pdf/sam_biacore.pdf

○金基板上ヘのSAM調製法(動画)
 http://www.dojindo.co.jp/technical/pdf/sam_au.mp4

<チオール誘導体関連製品>

製品名/構造式
容量
品コード
10 mg
100 mg
A458
10 mg
100 mg
A423
10 mg
100 mg
A424
10 mg
100 mg
A425
10 mg
100 mg
C429
10 mg
100 mg
C385
10 mg
100 mg
C386
10 mg
100 mg
C387
10 mg
100 mg
H394
10 mg
100 mg
H337
10 mg
100 mg
H338
10 mg
100 mg
H339
10 mg
S350
10 mg
100 mg
A510
10 mg
100 mg
A509
10 mg
100 mg
A508
10 mg
100 mg
F246
10 mg
100 mg
F247
10 mg
100 mg
F269
10 mg
A505
10 mg
100 mg
A483
10 mg
C463
10 mg
100 mg
C445
10 mg
H396
10 mg
H395
10 mg
100 mg
H355
10 mg
100 mg
H354
10 mg
100 mg
C404
10 mg
C405
10 mg
C406
500 mg
D524
10 mg
50 mg
D537
10 mg
50 mg
D538
10 mg
50 mg
D539
10 mg
50 mg
D550
  
   
製品名                                       製品コード   容 量       価 格    和光コード
詳細を隠す:[<div style="width:685px">]09-2.二価性試薬―Homo-bifunctional Reagents
09-2.二価性試薬―Homo-bifunctional Reagents
10mg
50mg

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10mg
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10mg
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詳細を隠す:[<div style="width:685px">]09-3.二価性試薬―その他
09-3.二価性試薬―その他
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詳細を隠す:[<div style="width:685px">]20-1.機能性有機材料―アルカンチオール誘導体
20-1.機能性有機材料―アルカンチオール誘導体
10mg
100mg

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10mg
100mg

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100mg

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100mg

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100mg

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10mg
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10mg
100mg

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\51,000
 
10mg
100mg

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\51,000
 
10mg
100mg

\14,800
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10mg
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10mg
100mg

\13,400
\36,000
 
10mg
100mg

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\38,800
 
10mg
100mg

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Request
 
10mg
\13,400
 
10mg
\13,400
 
10mg
100mg

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100mg

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10mg
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10mg
50mg

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10mg
50mg

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10mg
50mg

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10mg
50mg

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10mg
100mg

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10mg
100mg

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10mg
100mg

\14,000
\40,600
 
10mg
100mg

\14,000
\40,600
 
10mg
100mg

\14,000
\40,600
 
10mg
100mg

\15,600
\42,800
 
10mg
100mg

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\42,800
 
10mg
100mg

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10mg
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10mg
\29,600
 
10mg
\21,200
 
詳細を隠す:[<div style="width:685px">]20-2.Self Assembled Monolayer(SAM)研究用―ホスホン酸誘導体
20-2.Self Assembled Monolayer(SAM)研究用―ホスホン酸誘導体
10mg
100mg

\14,200
\39,400
 
10mg
100mg

\11,400
\31,000
 
10mg
100mg

\10,000
\28,800
 
10mg
100mg

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10mg
100mg

\10,000
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10mg
100mg

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\31,000
 
10mg
100mg

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10mg
100mg

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\31,000
 
 
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